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香港Tea Party

文・長谷川昭雄

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ぼくは香港に住んでいる。香港に住んでいて困るのは、好きなアンティーク家具屋やヴィンテージ洋服屋がほぼないこと。一般的に"クリエイティブ"と見なされている国や先進国にはアンティーク(歴史のあるもの)を理解する土壌とそれがビジネスとして成り立つマーケットが存在するのだが、香港はそれらの国に該当しないと思う。香港島の目抜き通り、Hollywood Road は中国の骨董品屋が軒を連ねるが、客が入っているのを見たことがないし購入した人の話も聞いたことはない。要は、嗜好がブリンブリンなのである。香港の嗜好が発展途上なのか、覇権がアメリカ、欧米から中国に渡った後の未来の世界なのか、ぼくにはわからない。

Sohoと呼ばれるエリアにある"General Store"は、香港に数少ない定期的に見に行きたくなるアンティークのお店。アメリカ、ヨーロッパ中心のアンティークの中にも、NYのサブウェイサインやO.C.White など、ややトレンディーなものが混じるナイスなセレクション。そして、オーナーの人脈から、不思議なイベント/パーティが催されるのも魅力の一つ。

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先日行われたTea Party では、店内の一角に茶室のようなスペースが設けられ、TEDなどを通じて茶の世界を世界に広める松村宗亮さんがお茶を振る舞った。子供から大人まで、西洋人からアジア人まで、アンティークに囲まれ、ファンキーな着物を来た松村さんのお茶をいただく、と言う非常に謎な展開(写真に写っている茶器もすごい。)日本人なのにお茶のことをまったく知らない自分を恥じながら、古いものばかりでは息苦しいが新しいものだけでも落ち着かない、というものは家具も洋服も伝統芸能も一緒だな、と勝手に納得する。こういう意外な形で日本文化の進化に触れることが出来るのは、海外に住んでいる特権かもしれない。